9月の仏教講座は28日(月)です。14時から坐禅、その後15時から講座となります。
ここ綾渡も稲刈りシーズンを迎えました。一面の稲穂に風が渡り、何ともよい香りがします。とても美しい黄金色の風景です。この時期になると稲穂の内部でミルクのようになったデンプン質をプラント・オパールというガラス繊維が包みこむため、日の光を反射して黄金色に輝くようにみえるのだそうです。

今年は米の価格が大幅に下落し去年の半分になるとのこと。
先祖伝来の田んぼで米を作られている農家の方は、そういうこともあるさと達観しています。
そこで、米の値段にちなむ公案を紹介しましょう。
ある修行僧が青原禅師に質問した。
「仏法の本質とはなんでしょうか?」
青原禅師は答えた。
「盧陵の米は今いくらくらいかね?」
(従容録 第五則 青原米価)
盧陵とは当時の中国の有名な米の産地です。盧陵米はハイグレードの米として高値で取引されていました。
仏の教えとは何かと、いきおいこんで尋ねた若い修行僧に米の値段を尋ねるとは人を食ったような返答です。
法に値段はつけられませんが、往々にして私たちは書籍を購入して知識として仏教を消費します。
興味ある仏教書はどんどん読むべきです。しかし、仏教の智慧は購入できるものではありません。
「仏法の本質とはなんでしょうか?」
わざわざ高名な禅師に訊かなくとも、AIに質問してみたら、とても上手に納得のいく答えを返してくれることでしょう。
でも、それは頭の中の概念にすぎません。頭の中の概念や知識は私たちの心を変えるインパクトを持ちません。
「盧陵の米は今いくらくらいかね?」
青原禅師の答えは若き修行僧の観念的な疑問を吹き飛ばし、今ここの現実のほかに仏法はないことを教えています。

